物件購入の経緯を教えてください。
「ドイツに住んでいた主人が日本に拠点を置くと決まり、家を探すことになりました。賃貸住宅では私たちがしたい暮らしができないと思ったので、購入を検討し始めました。」
はじめからリノベーションでご検討されていたのですか?
「新築も考えたけど、やめました。間取りは決まっているし、自分の好きなメーカーの設備を導入するにも『引き渡し後に入れ替えてください』と言われてしまって。いろいろと制約があると知り、好きなように設計できるリノベーションに決めました。」
理想のライフスタイルやイメージはありましたか?
「とにかく叶えたかったのが、居心地の良い場所にすること。それには、広さや開放感が不可欠でした。日本では隣家との距離が10cm単位は珍しくないけど、私たちには受け入れられなくて。室内の広さだけでなく、隣家を気にしない距離感や窓からの眺望を重視していました。」
お家の中の、"好きな場所3つ"
BEST1【キッチン】
「二人とも料理が好きだけど、アイランドキッチンは好みではなかったので、壁付けキッチンとカウンターにして作業しやすい空間にしました。ダイニングとの仕切りになっているカウンターは造作です。料理をしながらお酒を飲んだりするので、カウンターは幅・奥行きともに広さを確保。ホームパーティーでは出来立ての料理を提供したいので、ダイニングにすぐ届く形にしました。日本では料理を全て作ってからホームパーティーが始まることが多いですが、ヨーロッパでは料理をしながらみんなで話すのが一般的。そのスタイルを変えることなく、料理を楽しめるキッチンになって大満足です。」
BEST2【リビング】
「当初は窓際を縁側のようにしようと考えていました。お気に入りの旅館を真似して、縁側の両端に格子を取り付けようと思っていたんです。けれど、この広さだと圧迫感が出てしまうのでやめることに。格子を付けなくてもリビングとは違う空間にしたかったので、フローリングを切り替えてゾーニングしました。内装は白を基調に、フローリングは家具と合う天然木を選びました。」
BEST3【和室】
「リノベーション前から和室は残したいと思っていたので、大きく変えていません。畳を張り替え、シェルフの置き場所はフローリングにしました。」
今回のリノベーションでの6つのポイント
1、好きなメーカー品を取り入れられるのか事前にチェック
会社によって取り扱いメーカーは異なります。また、確認せずに契約をすると”取り入れるのに、別途工事が必要だった”ということも起こりかねないので必ず事前に確認しましょう。
2、造作カウンターで叶えた理想のキッチン
お二人のライフスタイルを変えることなく、料理を楽しめるキッチン。ポイントは造作カウンターです。カウンターはダイニング側が食器棚、キッチン側はワインセラー・キャビネットに、ダストボックスが入る仕様にしました。
3、床の切り替えでゾーニングしたリビング・和室
リビングは窓際の床を、和室は家具の設置場所の床を切り替えています。一つの空間に違う空間を作りたいときに有効なのが、視覚的なゾーニングです。開放感はそのままに、空間を緩やかに分けられます。
4、動線抜群の回遊できるWIC &ワークスペース
玄関すぐの洋室は、広さを生かしてWICとワークスペースに。室内は行き来でき、どちらも廊下から入れるので回遊できます。洗濯乾燥機をWICに設置したことで、洗濯後すぐに洋服を収納できます。
5、非日常を感じさせる贅沢な浴室&洗面室
ガラス張りにした浴室は開放感が格別です。洗面室と色を揃えて、旅館のような優雅な空間になりました。
6、フレキシブルに使えるゲストルーム
将来子ども部屋としても使えるように、ゲストルームは極力シンプルに仕上げました。プライベートが確保できるようにキッチンと寝室に挟まれた配置もポイントです。
以上の6つのポイントで、理想の住まいとなりました。これからリノベーションする人はぜひ参考にしてみてくださいね。